友人代表はとにかくほめる
スピーチのコツはとにかく新郎新婦をほめることです。
もう、つまるところ、披露宴のスピーチというのはいかに新郎新婦をほめるかにかかっているかといっても過言ではありません。そして本人も親族もそれを期待しているのです。
そしてこれが一番厄介な事柄でもあるのです。
まさか
「本日はお日柄もよろしく、お二人ならびにご親族のみなさまにおかれましては、まことにおめでとうございます。また、このような立派なお席にご招待いただき、恐悦至極に存じます。おふたりの将来のさらなるご発展と、お幸せをお祈りいたしまして、挨拶と代えていただきます。」
と、これだけではいくらなんでも間がもちません。
ですが、問題はほめるといっても、ほめるところのない人間が挙式している場合です。
そして、ほめるところのない人間ほど、周囲に高学歴の人間がいませんから、なんとか面目を保とうと(無理してでも)関係薄の高学歴の人間を持ってきて「友人代表」に仕立てあげ、スピーチを(勝手に)押し付け、無理矢理披露宴なんぞをやろうとするのです。
もうこうなったら、腹をくくってほめまくるしかありません。だけどほめるところがない……成績は悪いし、信頼感もなく、当然リーダーシップもなく、身勝手で、人に迷惑をかけていることにも気づかない等等……でもほめるところを探すのです。
たとえば、
過去をできるだけ思い起こし、なにか学校で役員についていたことはなかっただろうか?
けがをした人を助けたことはなかっただろうか?
校庭の草取りをまじめにやってはいなかっただろうか?
ボランティアをしたことはなかっただろうか?
落ち込んでいるときになぐさめられたことはなかっただろうか?(あるわけない)
勉強を教えてもらったことはなかっただろうか?(絶対にない)
料理が得意だったことは?(知らない)
ユーモアで人を笑わせるような人ではなかったか?(単なる天然ボケ)
物知りではなかったか?(常識知らずだった)
ある種のことに執着していなかったか?(パラノイア?)………
つまりですね、言葉をマイナスからプラス方向に転換させるのです。それくらい朝飯前なのが日本語の偉大なところです。つまり類似語彙が多いのです。
クラい人→落ち着いた人
自分勝手→自己をきちんと主張できる。はっきりものを言える。
はっきりしない人→争いを好まない人
声が大きい→話し方がはっきりしている
訛りがきつい→個性がある
八方美人→明るい人
ものごとに執着心がある→ひとつのことに集中できる
マザコン→母親思い
ファザコン→父親思い
ケチ→倹約家、無駄遣いをしない
付き合いが悪い→自分の時間を大切にする
学校の掃除をまじめにやっていた→清潔好き
はっきりとものを言わない→思慮深い
などなど、いろいろと考えてみてください。プラスのことが3つ見つかれば立派にスピーチ原稿ができます。
プラスが2つでもなんとかなります。
プラスがひとつの場合は……一般的な褒め言葉を使いましょう。明るい、やさしい、まじめ、話していて楽しい、思いやりがある、などなにかしか使えるものです。
がんばってください。(でもこれだけがんばるのですから、「お車代」くらいはいただきたいですよね。ほめるところを探すのに苦労する人からは、もらえないことが多いですけれど……)
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